アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下する体質や、アレルギーを起こしやすいアトピー素因が原因の一つとされ、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。
治療の基本としては、薬剤でしっかり皮膚の炎症をおさえ、皮膚を清潔にして保湿剤によるスキンケアをすること、悪化因子の回避の3点が重要となります。
外用療法としては、保湿剤の外用、ステロイド剤の外用、非ステロイド性の薬剤などがあります。非ステロイド性の外用剤は現在3種あり、生後6か月もしくは2才より使用できるため治療の選択肢が広がっています。局所の免疫を抑えるプロトピック軟膏、2020年よりJAK阻害剤であるコレクチム軟膏、2021年よりPDE4阻害剤であるモイゼルト軟膏が新たに発売されています。
全身療法としては、急性増悪した時にはステロイド剤の短期内服療法、かゆみが非常に強い中等症以上の症例には免疫抑制剤の内服も有効です。難治なかゆみには光線療法も有効で当院ではNB-UVB機器を完備しています。2018年より生物学的製剤である「デュピクセント」がアトピー性皮膚炎に認可され、なかなか治りにくい疾患とされてきた重症アトピー性皮膚炎の治療に大きな変化をもたらしています。デュピクセントは注射剤で2週に1回自己注射となり、当院でも取り扱っております。また、2021年より新たに「オルミエント・リンヴォック・サイバインコ」と3種の1日1回内服するタイプのJAK阻害剤が、2022年にはかゆみに関与しているIL-31を標的とした抗体製剤「ミチーガ」、月1回の注射薬が中等症のアトピー性皮膚炎に承認されています。どの治療にも適応基準があり、副作用や注意点があります。JAK阻害剤は他院と連携となりますので診察にてご相談ください。
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